皮膚科診療案内
当院で対応している主な皮膚疾患
当院では様々な皮膚疾患に対応しております。
以下に記載している疾患や肌トラブル以外でも、肌のことでお悩みがあればお気軽にご相談ください。
ニキビ
思春期にできることが多いですが、大人ニキビが治りにくい場合もあります。
【治療】
当院では保険診療で行う外用・内服治療での対応になりますが、他の治療などのご提案やご相談も承ります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、遺伝的な体質やアレルギー、乾燥、環境因子が複雑に関与して起こる慢性的な皮膚疾患です。小児に多く、乳児期には頬やおでこ、成長とともに首や肘・膝の裏などに湿疹が出現します。強いかゆみと皮膚の赤み、乾燥、かきこわしによる二次感染が見られます。
【治療】
治療の基本は、保湿によるスキンケアと炎症を抑える外用薬（ステロイドや免疫抑制薬）の使用です。かゆみには抗アレルギー薬の内服が効果的です。生活習慣の見直しも再発予防に有効です。
手湿疹（主婦湿疹）
手湿疹は、水仕事やアルコール・洗剤などの刺激物によって手の皮膚が繰り返し傷つき、炎症を起こす疾患です。特に主婦や医療職など、手を頻繁に洗う人に多く見られます。症状としては、手指の赤み、かゆみ、乾燥、ひび割れ、水ぶくれなどがあり、慢性化すると皮膚が硬くゴワゴワした状態になります。
【治療】
まず刺激を避け、保湿剤で皮膚のバリア機能を保つことが基本です。症状が強い場合はステロイド外用薬を用い、重症例では内服薬を使用することもあります。
かぶれ（接触皮膚炎）
かぶれは、皮膚がアレルゲンや刺激物と接触することで起こる炎症反応です。原因には金属（ピアスなど）、化粧品、植物、ゴム製品、洗剤などがあり、誰にでも起こり得ます。症状は、接触した部位に赤み、かゆみ、腫れ、水ぶくれなどが現れ、ひどい場合はただれに進展することもあります。
【治療】
原因物質からの回避が最も重要です。その上で、炎症を抑えるためにステロイド外用薬を用い、かゆみには抗ヒスタミン薬を使用します。繰り返す場合は、アレルギー検査を行うこともあります。
蕁麻疹
蕁麻疹は、突然皮膚に赤く盛り上がる膨疹（みみず腫れ）が現れ、強いかゆみを伴う皮膚疾患です。数分から数時間で自然に消えることが多いものの、繰り返し出現することがあります。原因は食物、薬剤、ストレス、寒冷・圧迫など多岐にわたりますが、明らかな原因が特定できないことも少なくありません。
【治療】
抗ヒスタミン薬の内服が基本で、慢性蕁麻疹では生活習慣の見直しも重要です。
水虫（白癬）
【原因と症状】
水虫は、白癬菌というカビ（真菌）が皮膚や爪に感染して起こる疾患です。足の指の間がジクジクしたり、かかとがカサカサしたり、爪が厚く濁って変形するなどの症状が見られます。足に発症することが多いですが、頭や体の他の部位でも起こります。高温多湿の環境で繁殖しやすく、夏季や長時間靴を履く生活習慣により悪化します。
【治療】
症状のある部位や状態に応じて、外用薬・内服薬で治療します。治療期間は長く、根気よく継続することが大切です。
帯状疱疹・ヘルペス
帯状疱疹
帯状疱疹は、水ぼうそうの原因ウイルス（VZV）が神経節に潜伏し、免疫力の低下によって再活性化することで発症します。体の片側に沿って帯状に赤い発疹や水ぶくれが現れ、強い痛みを伴います。特に高齢者や疲労・ストレスが重なったときに発症しやすく、後遺症として帯状疱疹後神経痛が残ることがあります。
【治療】
できるだけ早期に抗ウイルス薬による治療を行い、痛みに対して鎮痛薬や神経障害性疼痛治療薬を併用します。
ヘルペス
単純ヘルペスウイルスによって起こる皮膚感染症で、唇や性器、顔面、指などに水ぶくれやただれを生じます。再発性が高く、疲労やストレス、発熱時などに再燃することが多いです。初感染時は症状が強く出やすく、再発時は軽症で済むことが多いです。
【治療】
治療は抗ウイルス薬の内服または外用が中心で、再発を繰り返す場合には予防的な内服治療を行うこともあります。早期治療が回復を早め、重症化を防ぎます。
虫刺され（蚊・ノミ・ダニ症）
虫刺され
虫刺されは、蚊・ブヨ・アブなどの昆虫が皮膚を刺したり吸血することで、赤みや腫れ、かゆみ、水ぶくれを引き起こす反応です。体質によって反応の強さに差があり、小児やアレルギー体質の方では腫れが強くなることもあります。
【治療】
治療には抗ヒスタミン薬の外用や、炎症が強い場合にはステロイド外用薬を用います。感染を防ぐため、かきこわしを避けることが大切です。予防には虫よけ剤の使用や肌の露出を減らす工夫が有効です。
ノミ・ダニ症
ノミやダニの刺咬による皮膚炎で、強いかゆみを伴う小さな赤い発疹や水ぶくれが多発します。主に衣類の内側や腰回り、太ももなど、柔らかくて温かい部分に多く出現します。ペットや寝具、カーペットなどが感染源になることもあります。
【治療】
かゆみを抑える抗ヒスタミン薬の外用や内服、炎症が強い場合はステロイドの外用を使用します。発生源となる環境の清掃や駆除も並行して行うことが再発防止の鍵です。
乾癬
乾癬は、免疫異常が関与する慢性の皮膚疾患で、はっきりした境界を持つ赤い発疹と、表面に銀白色のフケのような鱗屑（りんせつ）が特徴です。頭皮、肘、膝、腰などに好発し、かゆみを伴うことがあります。爪の変形や関節の炎症が起こることもあります。原因は明確ではありませんが、ストレスや遺伝、感染症、生活習慣などが悪化因子となります。
【治療】
当院では、外用療法（ステロイドやビタミンD製剤）を中心に行います。重症例では内服薬や生物学的製剤による全身治療が行われます。日常生活でのスキンケアとストレス管理も重要です。
円形脱毛症
円形脱毛症は、自己免疫反応によって毛根が攻撃され、突然髪の毛が円形や楕円形に抜け落ちる病気です。1か所だけの軽症から、全身の体毛が抜ける重症型まで幅があります。ストレスや遺伝、アトピー体質との関連が指摘されています。
【治療】
治療にはステロイド外用や局所免疫療法、ステロイド注射、セファランチンやグリチルリチン製剤などの内服薬が用いられます。軽症であれば自然に治癒することもありますが、経過には個人差があり、根気よく治療を継続することが大切です。
男性型脱毛症（AGA）
男性型脱毛症（AGA）は、男性ホルモンの影響で、前頭部や頭頂部の毛髪が徐々に細く短くなり、進行性に薄毛が目立つようになる疾患です。遺伝的要因が大きく関与します。かゆみや赤みなどの皮膚症状はなく、自然な形で進行します。
【治療】
自費診療の内服薬として、進行を抑えるフィナステリドやデュタステリドといった内服薬、発毛を促すミノキシジルの外用などが主流です。
タコ (胼胝)・魚の目 (鶏眼)
タコ・胼胝
圧力や摩擦の加わりやすい部分にできる皮膚の角質の肥厚で、痛みが出ることは多くは ありません。痛みがある場合は細菌感染などを起こしている可能性がありますので早めに皮膚科を受診してください。足の親指の付け根や踵、中指などにできることが多いです。
【治療】
固くなっている角質を削る治療を行い、角質を柔らかくする外用を処方します。
魚の目・鶏眼
タコと同じように角質が肥厚してできますが、厚く固くなった角質が皮膚の中にくさび状に入り込んでいくため歩くときなどに芯になった部分が神経を刺激して痛みを感じることがあります。タコだと思っていたものがウイルス性いぼの場合もありますのでだんだん大きくなる タコのようなものができた場合は早めに皮膚科で診断を受けることをおすすめしております。
【治療】
まず原因となる靴や歩き方の見直しが大切です。皮膚科では、角質を削る処置や、サリチル酸を含む貼り薬で芯を柔らかくして除去する治療が行われます。痛みが強い場合や再発を繰り返す場合は、足底の圧力分散のためのインソールや、整形外科的な評価が必要になることもあります。
多汗症
【原因と症状】
多汗症は、特に手のひらや足の裏、脇の下などに過剰な発汗が見られる状態で、日常生活に支障をきたすこともあります。原因が特定できない原発性と、甲状腺機能亢進症や糖尿病などが背景にある続発性があります。
【治療】
当院では、症状に応じて保険適用の外用薬・内服薬を処方いたします。
いぼ
皮膚から盛り上がってできる比較的小さいできものです。
ウイルスの感染によってできるウイルス性いぼ（尋常性疣贅：じんじょうせいゆうぜい）、水いぼ（伝染性軟属腫）、老人性いぼ（脂漏性角化症、スキンタッグ、アクロコルドン）があります。
ウイルス性いぼ（尋常性疣贅）
【原因と症状】
「ヒトパピローマウイルス」というウイルスに感染して発症するいぼで、小さな傷からウイルスが入り込んでいぼを作ると言われています。傷のできやすい手足や頭などにできることが多くアトピー性皮膚炎のある方は引っ掻き傷の出来やすい肘や脇などにもできることがあります。
【治療】
当院では一般的な治療である液体窒素を使った「凍結療法」を行っています。治りにくいいぼには飲み薬や付け薬などもご提案いたしております。定期的な治療を継続することが必要になり、治療が遅れると完治までに時間がかかりますので、小さいうちに治療をすることをお勧めいたします。
水いぼ（伝染性軟属腫）
【原因と症状】
「伝染性軟属腫ウイルス」の感染で起こる表面がツルツルしたいぼです。お子様にできることがほとんどでプールなどの際にうつし合ってしまうことがあります。
【治療】
免疫ができると自然に治ることもあるので放置して経過を見ていく方法もありますが、他の部位にひろがってしまったり、ひっかくことで「とびひ」になってしまうこともあるため数が少ない場合はピンセットで摘んでウイルスの塊を除去する方法で治療をすることがあります。治療の際に痛みがあるため相談の上治療方法を決めていきます。
老人性いぼ (脂漏性角化症、スキンタッグ、アクロコルドン)
（脂漏性角化症）
顔や頭、胸や背中などにできることが多い黒褐色調の表面がザラザラしたボタンのようないぼで、色が黒いことから皮膚癌を心配されて受診される方も多い病気です。
治療は液体窒素による凍結療法を数回繰り返します。
（スキンタッグ、アクロコルドン）
首などにできるプツプツしたいぼは、ウイルス感染ではなく加齢変化や摩擦によってできることが多いと言われています。
液体窒素による凍結療法や切除 (有茎性で根元が細いもの)を行います。